この記事の先生
年間3回ある長期休業のなかでどうしても気が緩んでしまいがちなのが、春休みです。
学年をまたぐ関係上学校としても宿題を出しにくく、また、子供たち自身もきちんとした目標を持てずに、なかなか勉強に身が入らないのが正直なところでしょう。
でも、この春休みが意外にもこの先とても重要な意味を持っているのです。
(1)受験勉強はすでに始まっている
受験勉強と言うと部活動の終わった夏休みからと考えている生徒がとても多くいます。事実、夏休みまでは中学3年生はとても忙しい日々を送るのです。
4月になると、最高学年として生徒会や委員会、そして部活動などにおいてそれぞれに重要な役割を担わねばならず何かと忙しくなります。また、多くの学校が夏休みまでに体育祭を行い、さらに修学旅行もこの期間にあるのです。
そして、極めつけは部活動で、夏の最後の総体に向けて練習などもかなり熱が入ってくることでしょう。ですから、4月から夏休みまでの期間はどうしても授業優先になり、受験勉強に手がまわらなくなってしまうのです。
しかし、実際にはそんな悠長なことを言っていられない場合があります。というのは、私の経験から、受験勉強を始めてからその効果が現れるまでの期間が、早い子で3ヶ月、遅い子になると1年かかるのです。
もし、その後者の例に当てはまってしまった場合はまさにこの春休みが受験勉強のスタートになってしまうのです。もちろん、今から本格的に始めなければいけないというわけではありません。
ただ、来るべき夏休みに向けて今からその下準備を始めたほうがその後有利になるということです。
(2)春休みにやっておいて欲しいこと
① 新中学3年生
まずは、中学1・2年生の総復習だけはしっかりやっておくと良いでしょう。
参考書や教科書などを使うと時間がかかり最後まで終わらないことがよくありますので、問題集などの「1・2年のまとめ」のようなものでたくさん問題を解き、自分の弱点を把握しておくだけでもかなり効果があります。
たぶん、そういった復習ができるのはこの機会を除くと夏休みまでありませんから・・・
② 新中学1年生
これから入学をひかえ、期待と不安とでいっぱいのことでしょう。実はこの期間にぜひやって欲しいことがあります。それは、算数の復習です。
ともすると中学の先取り学習をやりがちですが、今まで多くの中学生を見てきて、小学校の算数がきちんと理解されずに中学生になる子が少なくないのにはとても驚かされていました。
中学生になって数学でつまずく生徒の大半が小学校の5・6年生の時に習う「割合」「速さ」などをきちんと理解しないまま進んできたことによるものなのです。
ですから、この春休みにはぜひとも算数の復習をやっておいてください。
③ 新中学2年生
この学年は、よく「中だるみの時期」と言われます。クラス替えがあるなど、何かと落ち着かない一年でしょう。実際のところ素行に変化が表れたり、成績に変化が表れたりするのもこの学年が多いようです。
つまり、2学年はいろいろな意味でその後の人生を左右するくらい重要な学年ということです。また、勉強においても、3年間の中で最も内容が濃く、さらには高校入試において最も出題率が高い学年だと言えるでしょう。
そこで、新中学2年生にはそれらのことに負けないような心と身体をこの春休みには作ってもらいたいものです。部活動に熱中するもよし、友達と遊ぶのもよし。
とにかく自分の栄養になることをしっかり行ってください。例えば、それが勉強ならば苦手科目の克服などといったネガティブなことよりも、得意科目を伸ばすといったポジティブなことをやって、明るい気持ちで新学年を迎えてください。
いずれにしても、この春休みを有効に活用することでよい一年のスタートをきりましょう。
ちなみに、うちの塾生の新高校1年生(現在は中学3年生)にはすでに大学入試の準備をスタートさせています。
世の中はなかなかどうして甘くはないんですよ・・・
皆さんの健闘を祈ります。