vol.21 浅田真央 そして、その瞬間へ

吉田 順

この記事の先生

小池 祐子 先生

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もうすぐソチ五輪が始まります。日本選手の活躍が期待されますが、その中でも注目される選手の1人にフィギュアスケートの浅田真央選手がいます。フィギュアスケートは私が最も好きなスポーツであり、浅田選手は最も好きな女子選手です。今回私が紹介する本は、その浅田選手のバンクーバー五輪後から今シーズンに入るまでの軌跡を描いたものです。

この本では時系列に沿って浅田選手の様々なエピソードが語られていきます。またフィギュア好きな人にはたまらない練習の仕方やプログラム誕生の裏側なども満載です。

しかし、この本を読んでやはり最も心に残ることは浅田選手自身のことです。天才少女として一躍有名になり、バンクーバー五輪でも銀メダルを獲得しましたが、そのバンクーバーで理想の演技ができなかった悔しさから一から技術を見直し、その中で思い通りに結果がでなかったり、お母様が亡くなったりしたことは報道でご存知の方も多いことと思います。決して順風満帆ではなかった浅田選手ですが、努力し続けた結果が今期の好調につながっているのだということがこの本を読むとよくわかります。

この本の中で浅田選手のコーチや振付師の方々が、一様に「浅田選手には特別な魅力がある」と言っています。それはもちろん演技を見ていれば誰でも感じられることで、そういった点で浅田選手は「天才」と言えるのかもしれません。しかしたゆまぬ努力がなければ、その魅力を発揮することは難しいはずです。そういう意味で浅田選手は「努力の天才」でもあるのだとひしひしと感じます。一時期はスケートをやめようとまで思いつめながらも、周囲の人たちの力添えのもとに、スケートの楽しさを再発見し、視野を広げ、そしてより高みへとチャレンジする姿には本当に感動を覚えます。

浅田選手の苦悩と努力、そして精神的な成長。これは「天才」とは言え、浅田選手もやはり人間であり、そして努力し続けることが結果に結びつくんだと実感させてくれます。今、努力しているのに思うように結果が出ていない人や、自分なんて凡人だから・・・と思っている人にぜひ読んでいただきたいです。

ソチ五輪まであと少し。「努力の天才」真央ちゃんが自分の理想の演技を達成し、努力を実らせてくれることを切に願います。