この記事の先生
約40日間の夏休み。この長期休業日を効果的に使わないのはなんとももったいないことです。
ということで、今回は、受験生はもちろんそうでない生徒も含めて“最も効果的な夏休みの過ごし方”をお話したいと思います。
<<生活編>>
(1)心身ともに健康になれる夏休み
長期休業で最も気をつけなければならないのは、生活のリズムの変化です。
学校がないためついつい朝寝坊をしたり食事の時間が変わったりと、今までと基本的な生活習慣が大きく変化しがちです。
また、冷たいものを食べ過ぎて胃腸を壊したり寝冷えなどにより夏風邪をひいたりとか、健康を害する可能性がたくさんあるのも夏休みの特徴です。
しかし、夏休みは健康な体を作るのに最もよい時期と言えるのです。さらに、体だけでなく、ぜひ心の健康も考えていただきたいと私は考えています。
①体の健康
この夏の健康管理に最も気を使ってほしいのは“食事”です。“食”は丈夫な体を作る源です。普段はジャンクフードやスナック菓子などを好みがちだと思いますが、この休みを利用して体に必要な栄養素を考えた食事をたくさん摂り、9月以降病気に負けない体をつくって欲しいと思います。
さらに、現在かかっている病気などがある場合はこの期間中に治しておくことをお勧めします。特に虫歯などは時間が比較的自由に使えるこの時期に完治しておきましょう。夏休みというとどうしても部活動や夏期講習などを第一に考えがちですが、それらを思いっきりやるために最も大切なのが健康です。
特に受験生にとって、もちろん勉強も大切ですが、最後に合否を決めるのは“気力と体力”と言っても過言ではありません。試験日まで健康で過ごせる体づくりをこの夏にしておきたいものです。
②心の健康
体に比べて心の健康というのは見えにくい分なかなか保ちづらいものです。しかもひとたび病んでしまうと生活全般に悪影響を及ぼすことも少なくありません。
ではいったい心の病の原因はどこにあるのか?十人十色、人によってその原因はさまざまだと思いますが、小中学生の場合その多くは人間関係によるものが多いのではないでしょうか?
例えば友達関係であったり、彼氏彼女についてだったり、部活動の先輩・後輩とのことだったり。
また、この4月に進学したりクラス替えがあったりと新しい環境になった場合に無意識のうちにストレスを感じている生徒も少なくないでしょう。そんな心の疲れをできるだけ取り除き、また何らかの問題を抱えている場合にその解決方法を見つけ出すことができるのもこの夏休みだと私は考えます。
ではこの夏休みどうすれば心の健康が取り戻せるのか?その鍵を握っているのはズバリ親です。親御さんたちが自分の子供たちとの関係を良好な状態に保てるかどうかが鍵となるのです。
小学校高学年から中学生ともなるとなかなか親の前で本音をさらけ出す子は多くありません。そのため、心の悩みを自分の胸にしまってしまい、解決の糸口さえ見つけられずにいる子も少なくないでしょう。
親兄弟、または周りの大人たちの誰かに素直に相談すれば解決できそうな問題でも、思春期の恥ずかしさなどが邪魔をして暗いトンネルの中に入り込んでしまっているのではないでしょうか。
また、親のほうも本音はいろいろなことを話したり相談したりして欲しいのに、なぜだかうまいタイミングが見つからずになかなか話しかけられずいるのではないでしょうか?それを良好な状態に持っていけるのがこの長期休暇なのです。 方法はただひとつだけ。ひたすら聞き役に徹することです。
きっと、親子の会話がうまくいかなくなったきっかけは、親が子供の言い分を“とにかく聞く”から“口を挟む”に変わったことではないでしょうか?もちろん子供の言い分など親御さんから言わせれば「幼稚で、生意気だ」などと思われるかもしれません。
しかし、それはそれ、今は親子の関係を良好にすることが目的なので、ここはひたすら聞き役に徹してください。
また、お子さんも誰かに話すことで心の闇が少しずつ晴れてくるかもしれません。そして、時間をかけて話を聞いてあげた後で大人としてのアドバイスなどをしてあげるとさらに良いのではないでしょうか。
また、夏休みというと、部活動などで大会や練習試合などに出かける場合があると思います。そんな時には率先してお子さん達の送り迎えなどをされることをお勧めします。
そうすることで、普段では見ることのできないお子さんの実態や周りの子からお子さんがどう見られているのかなども知ることができます。いずれにしても、この長期休業中にできるだけお子さんと触れ合う時間を作ることが大切だと思います。
<<勉強編>>
夏休みというのは、一年の学習を考えたとき最も大切な時期であることは間違いありません。特に受験生にとってはこの夏の過ごし方次第で最終的に志望校を上げることもできれば、結果的に志望校に合格できないということも考えられるのです。
また、そのほかの学年の生徒にとっては来る受験に向けて自分の学力を強化しておくと言う意味でとても重要な期間となります。
(1)受験生以外の場合
受験生ではない場合、なかなか本気で勉強にと言っても身が入らないのが正直なところでしょう。現在の成績に満足しているのであれば、部活動に集中しても良し、なにか趣味などに没頭するも良し思い切ってこの長期休暇を満喫してみると良いのではないでしょうか?
何かと忙しい毎日を送っている皆さんにとって集中して普段と違うことに取り組むということはこの先長い人生にとってとても役に立つと思います。 しかし、成績に何らかの不安を抱えている生徒は、これからの数年間(高校受験だけでなく大学受験も含めた)を考えた場合、今しかできない勉強、今やらなければいけない勉強に集中することをお勧めします。
(2)受験生の場合
あと半年後には受験をしなければいけない皆さんにとって、この夏休みは言うまでもなく最も重要な期間となります。ともすると最後の大会があるからと部活動に専念してしまいがちですが、まずは自分の進路についてしっかりと見据えた上で部活動にも力を注いでもらいたいのです。
特に文化部で10月頃まで部活動が続く場合はなおさら、手遅れにならないように入念に計画を立てておくべきだと思います。
(3)効果を上げる勉強法
では、それぞれどんな勉強をどんな方法で行うのが最も効果的か。
(其の一)
今まで塾などに通わず通信添削や問題集などを使って自分で勉強してきた生徒で、今の自分の成績に満足がいく場合はこのまま同じやり方で勉強することをお勧めします。
将来的に見て自分で苦労しながらがんばってきた人は変に固まらず大きく成長する可能性を秘めています。ただ、自分で考えず問題集の回答だけを鵜呑みにするような勉強だけはしないでください。
そして、もし不安に思うようなことが出てきたら、早めに塾や学校の先生などのアドバイスを受けることをお勧めします。
(其の二)
これから塾を探す場合や、現在塾には通っているがなかなか思うようにいっていない場合は、これが塾選びのラストチャンスだと思って真剣に塾を探してください。
その際の注意点
① とにかく自分にあった塾を選ぼう
塾は大きく分けて三種類あります。
一つは最もポピュラーな授業形式の塾、そして二つ目は私達の塾のような個別指導塾、三つ目は家庭教師。
いずれの場合それぞれ特徴を持っており、それが生徒に合えば良い成績を収めることができるでしょうが、もし合わない塾を選択してしまった場合、成績を上げるどころか時間とお金の無駄遣いにもなりかねません。ですから、塾を選ぶ際には一番に生徒本人に合っているかを考えて選びましょう。
② 塾を選ぶ際のチェックポイント
同じ形式の塾でもやり方だけでなく、塾の考え方、そこで教えている講師の質、もちろん料金などそれぞれです。
そこで、いくつか塾を選ぶ際のチェックポイントを書いておきますので参考にしてください。
ア) 教える先生がアルバイトか専任講師かどうか?
イ) 個別指導などにありがちですが、行くたびに先生が違うのか、それとも教科担任制などいつも同じ先生に教われるのかどうか?
ウ) 一斉授業形式の場合、私の経験では、授業を聞いていなくても特に注意されないため、極端な話、サボってしまっても、ばれないということがありました。ですからその辺のフォローがどうなっているのか?
エ) 個別指導形式だとしても、学習内容だけでなく、教え方なども生徒一人ひとりに合わせてくれるのかどうか?
オ) 一斉授業形式の場合、授業についていけなかったときどういう対応をしてくれるのか?
最後にこれが最も大切だと思われますが、
カ)「ここならがんばれそう!」と思えるような塾かどうか?
塾選びというのは本当に難しいものです。ましてや受験を控えた生徒たちにとっては選び方次第で、その後の成績だけでなく、極端な言い方をすれば人生をも変えてしまうような大きな出来事になります。
できるだけ情報を多く得て、お子様に最も合った塾にめぐり合えることを切にお祈りしています。
長々と夏休みのベストな過ごし方についてお話してまいりましたが、子供達にとって夏休みは人生を大きく左右するくらいとても重要な期間です。
今年の夏休みが一人ひとりのお子さんにとって幸せな日々となりますように。
受験舎 小中学部 代表 鈴木克美