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其の39 バタフライ・エフェクト(効果)

この記事の先生

鈴木 克美 先生

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バタフライ・エフェクト(効果)とは、非常に些細な小さなことが様々な要因を引き起こしだんだんと大きな現象へと変化することを指すものです。

 

日本のことわざで言うと「風が吹けば桶屋が儲かる」がよく似ていると言えるでしょう。

 

私がこの言葉を聴いて強く思いだす事件があります。それは、1973年愛知県でおきた豊川信用金庫事件です。

 

これは、ある女子高生が登校中の電車内で同級生の友達と交わした何気ない一言がきっかけで起こりました。

 

その日Aさんは友人に「豊川信用金庫に就職が決まった」と話しました。すると友人は「信用金庫は危ないよ」とからかったのです。

 

友人たちは「信用金庫は強盗が入ることがあるので危険だよ」という意味で、ほんの冗談のつもりで言ったのですが、Aさんはそれを真に受けて知人に相談します。

 

これがきっかけで、巡り巡って最終的には「信用金庫が潰れる」というところまで話が広がり、結果短期的に20億もの預貯金が引き出されたのです。

 

これはまさにバタフライ効果の一つだと言って良いのではないでしょうか?

 

しかし、このバタフライ効果も悪いことばかりではありません。それを私は今年の夏実感することができました。

 

今年は戦後70年の節目の年とあって、いろいろな報道機関において多くの報道がなされ、それは今も続いています。

 

そんな中である番組で若者に調査したところ、ここ数年「戦争について語り継いでいきたい」と答える若者が増加傾向にあると言っていました。

 

私はこれを聞いて驚きと同時に日本の将来に希望の光を見ました。というのは、私は以前から先の大戦についての研究をしていて、そこで常に二つの問題にぶつかっていたからです。

 

その一つは実際の戦争体験者の方がなかなか実体験を語ろうとしないこと。そしてもう一つは戦争体験者の方が語り継ごうとしても、それを語り継ぐ若者が少ないということでした。

 

一つ目の問題についてはやはり実際に戦争の惨禍の下で生き抜くには口では言えないようなことも多く体験してきているため、体験者の方々がなかなか重い口を開いてくださらないそうです。

 

ただ、ここ数年そういった体験者の方たちの中にご自分が生きているうちにこの惨劇を誰かに伝えなければと思い始める方が出てきているのも事実だと聞きました。

 

そこで問題なのが二つ目の問題である語り継ぐものの不足だったのです。

 

沖縄などでは、琉球大学の学生などが中心となって少しずつですが増えてきていると報道されていました。それが今回のテレビ報道で益々そういった若者が増えていると聞き「これならあの悲惨な戦争を風化させずにすむのでは」と一安心したところです。

 

また、それと同時に語り継ぐ若者が増えたということは=体験を語ってくださる方が増えたとも言えます。

 

しかし、なにぶん語ってくださる方たちはかなりのご高齢です。できる限り早く第二第三の語り部の誕生を願うばかりです。

 

もう一つ今年の夏は「もしかするとこれがバタフライ効果になるのでは」と思わせることがありました。

 

その一つは、8月にプロ野球の広島カープと長崎のJ2V・ファーレン長崎がいずれも8月ホームゲームにおいて平和を願う特別ユニフォームを着用しました。

 

特に広島カープは昨年の「カープ女子」に続いて今年は黒田投手の加入で大変盛り上がっています。そこにきてのこの企画ですから、広島ファンのみならず多くのプロ野球ファンの心に“平和”の文字が刻まれたことでしょう。

 

最近の調査で70%の人が原爆の投下日を正しく答えられなかったことを考えると、これをきっかけに“平和”の輪が広がることを期待したいと思います。

 

また、テレビでも“戦後70年「私たちに戦争を教えてください」”というテーマで若者に人気の俳優さん・女優さんたちが戦争体験者に方のもとに出向き実際にお話を伺うという番組が放送されました。

 

また、私たちの地元下野新聞の子供タイムズで“とちぎ戦後70年「伝えたい」”という記事が掲載されています。こういった新たな取り組みで、明らかに若者に対してより“平和”について関心を持ってもらえると感じています。

 

最近はネット社会です。それまでは口から口への伝言ゲーム的要素が強かったバタフライ効果も一瞬にして世界中に広がってしまう可能性をひめています。

 

私たちは今後こういった事実を考え、少しでも世の中に貢献できるような発信を心がけていかなければならないと感じました。