ひとりひとりの生徒と向き合う個別指導の実績がある受験舎の先生たちが、子供たちのモチベーションをアップ させるノウハウや、やる気にさせる言葉を親御さんたちへレクチャーします。

其の38 逆転の勧め

この記事の先生

鈴木 克美 先生

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 5月23日、あの東大野球部がそれまでの94連敗を見事ストップ!!法政大学に6-4で勝ちました。
スポーツ特待などないチームが甲子園級の選手を相手に勝つことなど、土台無理な話です。

 

 そこに至るまでの道のりは大変だったでしょう。

 

 そんな中、私は監督の浜田さんに注目しました。浜田さんはご自分でも高校時代に野球をされていて、その後東大に進学され東大でも野球部に所属、4番で主将を務められた方だそうです。

 

 その浜田監督、なんと高校3年生の夏の模試で偏差値国語38英語40、東大はE判定だったのだそうです。監督はそこからがんばり現役で見事東大に合格するのです。

 

 また、最近まで上映されていた大ヒット映画「ビリギャル」も偏差値30から1年間で偏差値を40上げ大逆転で見事慶応大学に合格する女の子の話です。

 

 みなさんは、これらの話を聞いてどうお感じになられたでしょうか?

 

「もともと能力が違うからだ」

「親の学力が高いのでは?」

「愛知県でも有名なお嬢様学校に中学受験をして入学するくらいの力があったからだ」 

「家庭的に裕福だったから充分な受験勉強をさせることができた」

 

 などいろいろな意見が言われているのも事実です。

 

 しかし、逆にそういった条件の下でも最終的に成績が伸びず志望大学に入れない生徒が多く存在するのも事実なのです。

 

 そこで今回は“どういう子が成功するのか”そして“そこに存在するキーワードとは”について私の経験から導き出した法則について触れていきたいと思います。

 

(1)挨拶のできる子は伸びる

 私の塾では入塾の際、必ず面談を受けていただきます。そこで初めて私たち講師と生徒が対面するわけですが、実はこの面談がとても大切だと私たちは考えています。

 

 お互いの第一印象も今後の指導にとって重要ですが、何よりもその生徒が“どう育ってきたのか?”“今どう考えているのか?”など生徒の内側の部分をどれだけその面談の中で見つけられるか、私たちにとってある意味勝負のときなのです。

 

 その面談の最初の場面で最も重要なのが“挨拶”です。大きな声で挨拶できる子か?きちんと目を見て挨拶ができる子か?などチェックするポイントはいくつかありますが、たとえそれが今風の挨拶だったとしても目を見てできる子であればその後の伸びが期待できます。

 

 それくらい“挨拶”というのは生活の基本であるとともに、人と人とが最初にとる大事なコミニュケイションなのです。

 

 ですから入塾した生徒には会うたびに何気なく言葉かけをしたり、行き帰りにはこちらからもできるだけ大きな声で挨拶をしたりしています。

 

(2)意思を伝えることができるか?

 これも面談のときにチェックしますが、自分で自分の気持ちを伝えられる子であれば成績は伸びるでしょう。その際、言葉遣いなど細かい点は関係ありません。言葉遣いなどはその後の指導でいくらでも直ります。大切なのは自分の気持ちを言葉にできるかどうかということです。

 

(3)素直で明るい性格かどうか?

 これは面談だけではなかなか判断できづらいのですが、普段の授業の中で私たちの説明を素直に聞ける子は伸びます。また、基本的に明るい性格の子も伸びます。

 

 そもそも勉強というのは大多数の生徒が好きでやっているわけではありません。ですから、問題が解けなかったり、間違ったりしたときにどうしても暗くなりがちです。そんな時私は「わからないから教わりに来ているのだから間違っても気にせず笑っていなさい」と話します。

 

 そして今までわからなかったことが少しでもできるようになったときや、間違ってしまった問題を理解できたときにはちゃんと褒めるようにしています。そうすると、多くの生徒がニッコリするものです。じつはこのニッコリが成績向上にとても大切なのです。

 

(4)変なプライドを持たない

 今までは伸びる生徒について話してきましたが、ここでは反対に伸びが期待できない生徒についてお話します。わたしは今まで数多くの生徒を見てきましたがそんな中で「この子はこのままだと伸びなくなってしまうなあ」と感じることが何度もありました。その度に生徒本人とじっくり話し、直すように言います。

 

 その伸びない原因第一位は“説明を最後まで聞かない”です。

 

 わからなかった問題を説明していると説明の最中に手を動かし始める子がいます。こういう子は伸びません。次に伸びない原因第二位は“ノートの書き方や勉強の仕方などについてアドバイスをしても聞く耳を持たない子”です。

 

 これは、なにも勉強だけに限った話ではなく、生活全般についてなどのアドバイスをしても実行に移せない子がいます。私たちは長年の経験からどうしたらこの子が伸びるのかを常に考えています。そんな中でのアドバイスを聞こうとしない子はなかなか伸びません。

 

 ではこれらの子達に共通しているのは何なのか?

 それは、みな“変なプライドを持っている”ということです。

 

 このことは実はどんな生徒にも起こりうることなのですが、勉強を始めてだんだんできるようになってきたときに、無意識に“自分はできる”と思いこみ他人のアドバイスを上手に聞けなくなるのです。それを見た私たちがすかさずアドバイスをしますが、それで気づいて直してくれる子は大丈夫です。

 

 けれども、アドバイスをしてもなかなか直そうとしない子や、そもそもアドバイスすら聞こうとせず、例えば勉強の仕方なども自己流で悪い癖が直せない子はその後の伸びが期待できません。

 

 いずれにせよ、私が常に思うことは現時点での成績が良かろうが悪かろうがその後の伸びにはあまり関係がないということです。もちろん、その子の家庭が裕福かどうかなどもまったく関係ありません。

 

 大切なのは、その子自身が伸びる素質を持っているかどうかということで、さらに言えばそういう子に育てることができたかどうかに鍵があると言っても過言ではないと思います。

 

 実際、私を頼ってきてくれた生徒の中にも、担任の先生などから「あんたなんかには無理!」などと言われ半ば見放された生徒がその後めきめきと成績を伸ばし、最後には周りの人たちを見返すことができたという例は少なくありません。

 

 今後も私たちは“伸びる生徒”を育てるために日々努力と工夫をしていきます。ぜひご家庭でもお子様の将来を考え今成績がどうこうではなく、将来伸びる子に育てる工夫をしていただけると幸いです。